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エピソード59息子が紡ぐ人との出会いコープデリグループの組合員数は約550万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。みき茨城県で夫と3人の子どもと美さんは、コープの活暮らす月つ動に関わって世界が広がった。きっかけは、よく話をしていた宅配担当者にすすめられ、約2年前に総※1代になったこと。今年7歳の息子さんと一5月には、1緒に、いばらきコープのブ※2ロック委員会が主催するコープデリミールキットの試食会に参加した。息子さんには知的障がいがあり、それまでは「人に迷惑をかけてしまうのでは」と家に閉じこもりがちだった。でも、これからたくさんのことに挑戦してできることを増やしてほしかったし、ブ※3ロック委員からも「ぜひ来てください。私たちも障がいがある方への接し方を学びたいです」と言われ、勇気を出した。会場に着くまで「本当に受け入れてもらえるかな」と不安もあったが、笑顔で迎えてもらえた。息子さんのために、ホットプレートやトングなど使いやすい調理器具まで準備してくれていた。参加者は約15名、和気あいあいと4品の調理と試食を楽しんだ。息子さんは「5種の国産野菜とお米育ち豚の回鍋肉」の調理を担当。野菜などを切る必要がなく、レシピも分かりやすいから、最後までやり切ることができた。調理中も「上手だillustration:MaikoDakeね」「頑張ってるね」とポジティブな言葉を掛けてもらった。自力で料理を作れたこと、それをみんながおいしそうに食べてくれたことが自信になり、夏休みには別のイベントにも参加することができた。………§………3年生まで公立小学校に通っていた息子さんは、集団行動が苦手で、幼稚園の頃から「どうしてできないの」と否定的な言葉を浴びてきた。「よほど辛かったのか、耳に石を詰めたこともありました」と月美さん。でも4年生で特別支援学校に移ると、笑顔で「いいね」「大丈夫だよ」と言ってもらえ前向きになり、見違えるように成長。高等部2年となった今、少しずつ自分の気持ちを言葉にできるようになってきた。「振り返ると、支援学校の先生や組合員の皆さん、たくさんの人に息子が出会わせてくれました。人は一人では生きていけませんね。試食会に参加して、こんなに優しい人たちが身近にいたと知り、今まで私は怖がりすぎていたんだと反省しました」月美さんはコープに加入して年になるが、育児で精一杯で、14総代になるまで活動内容をほぼ知らなかった。「良い食材を販売しているとしか思っていなかったので、幅広い活動を知って驚きました」と明かす。3月からはブロック委員となり、新たな出会いや学びを楽しんでいる今、月美さんがお守りにしている言葉がある。“食べるしあわせ、自分らしいくらし「ともに」の力で、笑顔の明あし日たを”というコープデリグループのビジョン2035だ。「息子を他の子と同じように育てなければ、と肩に力が入っていた私には、多様性を肯定してくれる応援メッセージです。それに、嫌なことがあってもおいしいものを食べると元気になれますよね」と笑う月美さん。今後は、ブロック委員として障がい者や不登校の子などに向けた食のイベントを企画し、未来ある子どもたちの背中を押していきたいと考えている。※1※2※3組合員の代表。「総代会」で生協の事業計画や予算などについて審議・議決する地域でさまざまな活動をサポートするコーディネーター役を担う組合員の集まり。地域により名称は異なります※2を担う組合員過去の物語もこちらから読めますあなたのエピソードをお寄せください。コープ職員との心に残る出来事を随時募集しています。氏名・電話番号・組合員コードを記入し、郵便(〒336-8526埼玉県さいたま市南区根岸1-4-13コープデリ連合会コミュニケーション推進部宛)か、左記のWeb応募フォームよりお送りください。♦実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、読み物の形にまとめています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。イラストはイメージです。07