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編集委員レポート―今年は戦後80年―平和のメッセージを発信し続けている長岡市を訪ねました長岡戦災資料館長岡空襲を中心とした戦災資料の展示や平和の尊さを伝える活動を行っている資料館です。1階には様々な展示があります。平和学習で児童が訪れた際には、太平洋戦争下の茶の間を見るところから始めるそうです。館長の近藤信行さんは「まず、今の家との違いを見つけてもらいます。『黒い布が電球にかかっている』『ランドセルは紙製だね』と子どもたちはいろいろなことに気が付きます。そしてその理由について一緒に話をします。その後、戦争に向かっていく当時の写真や資料、長岡空襲の様子、実物大の焼しょういだん夷弾(レプリカ)や空襲で8割が焼けた市街地のジオラマなどを見学します。昭和20年8月1日の長岡空襲で1階展示室は、925トンの焼夷弾(16万3千発の焼夷弾子弾)が3千~4千メートル上空から1時間40分のあいだ降りそそぎ、1488人の生命が失われました。この資料館で活動されている市民ボランティアさんの中には、実際に空襲を体験された方もいらっしゃいます。資料や語り部さんのお話が、何かを考えるきっかけになればと思います」と話されていました。3階の学習室では、6月末から8月末まで空襲で亡くなった方の遺影のパネル展示などが行われます。また、長岡戦災資料館は、来年の5月には山本五十六記念館の近くに移転するそうです。お話をお聞きしました※市民ボランティアさんの在館時間は10時~16時まで(不定)です。詳しく知りたい方は事前にご連絡ください。▲長岡戦災資料館館長近こんどう藤信のぶゆき行さんお話を聞きながら資料を見ることで、伝わってくるものが多いと感じたよ。茶の間を見ると、当時の生活の様子がうかがえるね。焼夷弾子弾(2.8㎏)はずっしりと重かった。これが富士山山頂位の高さから降ってきたんだね…。※焼夷弾とは…建造物を焼き払う目的で使う、燃えやすい物質を入れた爆弾の一種。【長岡戦災資料館】長岡市城内町2-6-17☎0258-36-32699:00~17:00開(最終入館16:30)休毎週月曜(祝日の場合翌日)、年末年始料無料P無(周辺の有料駐車場をご利用ください)山本五十六記念館資料を通してその生涯にふれます。長岡藩の高野家に生まれた五十六は、海軍大学校在学中に旧藩家老の山本家を継ぎ、山本姓となります。幼少から勉学に励み、軍人として2度のアメリカ生活、9カ月におよぶ欧米視察などを経て、石油と飛行機の重要性に開眼し国際的視野を広げていく様子が展示されています。世の中が戦争に向かう中、「軍縮は世界平和、日本の安全のため、必ず成立させねばならぬ」と開戦回避を主張した一方、連合艦隊司令長官就任後は真珠湾攻撃を敢行、戦争の指揮をとりました。昭和18年にブーゲンビル島上空で撃墜を受け戦死しました。友人に語った言葉や書簡などから心情が感じられ、切なくなりました。11【山本五十六記念館】長岡市呉服町1-4-1☎0258-37-8001開10:00~17:00休年末年始、臨時休館あり料大人(高校生以上)500円小・中学生200円P普通車6台