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コープデリにいがた編集委員会発介護のために、今から知っておきたいこと昨年11月、くらしの助け合いの会主催の学習会『今こそ知ろう!介護保険の基本のキ』が開催されました。「介護保険ってどんなことに使えるの?」「親の介護が必要になったら仕事を辞めなくちゃいけないの?」、そんな疑問に応えるべく学習会の一部を抜粋して紹介します。10介護という期間が宝物となるために新潟市在宅医療介護連携センター保健師講師ほそみち道奈な細ほこ穂子さん介護にまつわるお話介護保険は、使い方がポイントになります。ご本人の希望や状態に合わせて選んで使う形なので、ご近所の方がこうしていたから私も同じにというふうにはなりません。介護保険は本当によい制度なのですが、デメリットは分かりにくさといえそうです。病気の種類によって介護のノウハウが異なり、介護保険の使い方も変わってきます。少し例をあげてみます。がんの場合、日常生活を自分自身で過ごすことができていても、最期の2カ月位になると急速に機能が変化します。介護保険サービスの申請は「まだ困ってない」とか、「それより病院に通わなきゃ」と、なかなかタイミングをつかみきれない場合があります。急に変化が起きた時に本人も戸惑うし、それまで介護に慣れていないご家族は非常にパニックになるので、「早めに相談に行った方がよい」とおすすめします。心臓・肺などの内臓疾患の場合、風邪をこじらせた、肺炎になったなどで入退院を繰り返し、徐々に機能が下がってくることがあります。こういう方には、普段からの健康管理を重視した介護サービスを取り入れることをおすすめします。認知症が進んでいるという場合、長い方で十何年も介護された方がいらっしゃいます。そうなるともう家族だけでは無理です。なるべく家族の負担が大きくならないように、早い頃から介護サービス(デイサービスやショートステイなど)を入れていくことが必要になります。介護休業を知っていますか?介護保険とは介護のために離職される方が年々増えています。離職により精神面・肉体面・金銭面での負担が増えたという統計結果もあります。介護・看護離職の割合をみ9歳」がると男性・女性ともに「55歳~50代で介護離職最も高くなっています。5した場合、その方のその後の生活はどうなるでしょう。同じ職場に復帰できるかといえば、それも難しいかもしれません。離職により時間的には楽になっても、その他の面でのデメリットは多いようです。介護期間は、平均で5年1カ月。あくまで平均ですけれど。介護離職をしないために知っておきたいのは「育児・介護休業法」です。介護休暇、介護休業などがありますが、ポイントは、育児休業と同じに考えてはいけないということです。介護休業は「自分が介護しなきゃいけないから何カ月休みます」という使い方ではありません。介護には、パニック期・環境調節期・生活期・3日の看取り期があります。介護休業は9範囲内で合計3回まで分割して使えるので、どのタイミングで取るかを考えておくとよいです。講師新潟南病院医療相談員美さんこばやし林奈な小み家族の負担を軽減し、介護を社会で支えること、介護が必要な方が自立した生活が送れるように支援することを目的に、2000年に創設されました。介護保険の利用についての相談先は、市・区役所健康福祉課や地域保健福祉センター、お住まいの地域を担当する地域包括支援センター、お近くの居宅介護支援事業所です。介護保険でできることは①人が来るサービス訪問介護(ヘルパー)、訪問看護、訪問入浴介護、訪問リハビリテーション②本人が出かけるサービス通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)、短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)③生活環境を整えるサービス住宅改修費の支給、福祉用具購入費の支給、福祉用具の貸与